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2015年度上原記念生命科学財団
上原賞・各種研究助成金受賞者決定のお知らせ

2015年12月18日

公益財団法人上原記念生命科学財団(東京都豊島区、理事長:上原明/大正製薬ホールディングス株式会社代表取締役社長)は、12月18日(金)に開催した理事会において、2015年度上原賞・各種研究助成金贈呈対象者を決定しましたのでお知らせいたします。
今年度の上原賞は2件(うち1件は共同受賞)、各種助成件数は378件、助成金総額(上原賞副賞を含む)は12億5,785万円です。

上原賞 2件(3名) 副賞1件 2,000万円     ※掲載は五十音順

○豊島 近氏 東京大学 分子細胞生物学研究所教授

対象となった研究業績 : 「イオンポンプによる能動輸送機構の原子構造による解明」

○共同受賞
  水島 昇氏 東京大学 大学院医学系研究科教授
  吉森 保氏 大阪大学 大学院生命機能研究科・医学系研究科 大阪大学特別教授

 対象となった研究業績 : 「哺乳類オートファジーの分子機構と生理機能の研究」


各種助成金 378件 12億1,785万円

研究助成金 (1件500万円) 90件 4億5,000万円
研究推進特別奨励金 (1件400万円) 10件 4,000万円
研究奨励金 (1件200万円) 90件 1億8,000万円
海外留学助成金リサーチフェローシップ 80件 2億6,960万円
海外留学助成金ポストドクトラルフェローシップ 40件 1億4,460万円
その他
特定研究助成金 19件 6,900万円
国際シンポジウム開催助成金 39件 3,000万円
来日研究生助成金 10件 3,465万円


公益財団法人上原記念生命科学財団は、1985年の設立以来、今年度で31年目となります。
2015年度までの生命科学に関する諸分野の研究に対する助成(上原賞含む)は約8,300件、約254億円になります。

上原記念生命科学財団のホームページはこちらをご覧ください。

上 原 賞 受 賞 者
(五十音順)

受賞者氏名 : 豊島 近(トヨシマ チカシ)理学博士
所属機関および役職 : 東京大学分子細胞生物学研究所教授
生年月日 昭和 29年 7月17日生
略   歴 昭和 53年 3月  東京大学理学部物理学科卒業
55年 3月  東京大学大学院理学系研究科物理学専攻修士課程修了
58年 3月  東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了
59年 1月  東京大学理学部物理学教室 助手
61年 7月  米国スタンフォード大学細胞生物学教室 博士研究員
63年 4月  英国MRC分子生物学研究所 研究員
平成 元年 7月  理化学研究所 国際フロンティア研究員
2年 1月  東京工業大学理学部(生命理工学部)助教授
6年 5月  東京大学分子細胞生物学研究所 教授
20年 4月  カリフォルニア大学・バークレー校 Hitchcock Professor(兼任)
21年 8月  国立台湾大学 Distinguished Research Chair Professor(兼任)
22年 7月  東京大学分子細胞生物学研究所附属高難度蛋白質立体構造解析センター長

【受賞対象となった研究業績】

イオンポンプによる能動輸送機構の原子構造による解明

生命活動に極めて重要な膜蛋白質であるイオンポンプに関して、数々の結晶構造解析に成功し、イオンの能動輸送機構やイオン選択のメカニズムを解明した。結晶化に際して脂質を加えるという常識を破る方法で筋小胞体カルシウムポンプ(Ca2+-ATPase)を結晶化し、陽イオンポンプとして初めての原子構造を決定した。その後、カルシウムポンプの反応サイクルをほぼ完全に網羅する9つの中間体構造を次々に決定して、10本の膜貫通ヘリックスと3つの細胞質ドメインの再配置により大規模な構造変化が起こることを示し、濃度勾配に逆らってイオンを能動輸送する複雑な作動機構を原子レベルで解明した。更に、ナトリウム・カリウムポンプの作動機構の構造的解明に取り組み、ナトリウムイオンを厳密に選択する精密なメカニズムを明らかにした。イオンポンプの機能とその制御機構を構造的に解明した先駆的かつ画期的な研究業績である。


受賞者氏名 : 水島 昇(ミズシマ ノボル)博士(医学)(共同受賞)
所属機関および役職 : 東京大学大学院医学系研究科教授
生年月日 昭和 41年 6月30日生
略   歴 平成 3年 3月  東京医科歯科大学医学部医学科卒業
8年 3月  東京医科歯科大学大学院医学研究科修了
8年 4月  日本学術振興会特別研究員(PD)
10年 10月  岡崎国立共同研究機構 基礎生物学研究所 非常勤研究員
11年 10月  科学技術振興事業団さきがけ研究21 研究員
14年 4月  岡崎国立共同研究機構 基礎生物学研究所 助手
16年 4月  東京都医学研究機構 東京都臨床医学総合研究所 副参事研究員(室長)
18年 9月  東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科細胞生理学分野 教授
24年 10月  東京大学大学院医学系研究科分子生物学分野 教授

受賞者氏名 : 吉森 保(ヨシモリ タモツ)医学博士(共同受賞)
所属機関および役職 : 大阪大学大学院生命機能研究科・医学系研究科 大阪大学特別教授
生年月日 昭和 33年 9月3日生
略   歴 昭和 56年 3月  大阪大学理学部生物学科卒業
58年 3月  大阪大学大学院医学研究科医科学専攻修士課程修了
61年 3月  大阪大学大学院医学研究科博士課程中退
61年 4月  関西医科大学生理学第一講座 助手 (~平成8年6月)
平成 5年 7月  ヨーロッパ分子生物学研究所(EMBL・ドイツ)博士研究員(~平成7年)
8年 7月  岡崎国立共同研究機構 基礎生物学研究所 助教授
14年 3月  情報・システム研究機構 国立遺伝学研究所 教授
18年 2月  大阪大学微生物病研究所 教授
22年 4月  大阪大学大学院生命機能研究科・医学系研究科 教授
26年 7月  大阪大学 特別教授

【受賞対象となった研究業績】

哺乳類オートファジーの分子機構と生理機能の研究

オートファジーとは、細胞内のたんぱく質や小器官をリソソームへ輸送して分解する主要な細胞内分解システムである。大隅良典博士による出芽酵母の先駆的研究において、遺伝学的解析によりオートファジーに必須な多種類の遺伝子が発見された。その後、哺乳類オートファジーの研究においては、吉森保・水島昇両博士によって、哺乳類オートファジー因子の同定、オートファゴソームマーカーの特定、オートファゴソーム蛍光標識マウスの作製など共同して行われた。更に、吉森博士は、オートファジーの分子機構と膜創生の解明、オートファゴソーム形成場の特定、病原性細菌や損傷リソソームを除去する選択的オートファジーの発見と疾患における重要性を見出し、水島博士は、機能欠損マウスを初めて作製し、オートファジー遺伝子の機能解析、オートファジーの生理学的・病態生理学的意義を解明した。オートファジー研究を飛躍的に発展させた世界を先導する独創性の高い研究業績である。

<参考資料>

【いままでの上原賞受賞者一覧】(敬称略、所属・役職は受賞時)

年度 受賞者 所属・役職
2014 狩野 方伸 東京大学大学院医学系研究科教授
2013 笹井 芳樹 理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター副センター長 (2014年逝去)
  濡木 理 東京大学大学院理学系研究科教授
2012 竹縄 忠臣 神戸大学大学院医学研究科特命教授・質量分析総合センター長
  渡邊 嘉典 東京大学分子細胞生物学研究所教
2011 森 和俊 京都大学大学院理学研究科教授
  山本 雅之 東北大学大学院医学系研究科長・教授
2010 河西 春郎 東京大学大学院医学系研究科教授
  間野 博行 自治医科大学教授・東京大学特任教授
2009 杉山 雄一 東京大学大学院薬学系研究科長・教授
  西田 栄介 京都大学大学院生命科学研究科教授
2008 飯野 正光 東京大学大学院医学系研究科教授
  山中 伸弥 京都大学物質-細胞統合システム拠点iPS細胞研究センター長
2007 門脇 孝 東京大学大学院医学系研究科教授
  坂口 志文 京都大学再生医科学研究所長
2006 審良 静男 大阪大学微生物病研究所教授
  寒川 賢治 国立循環器病センター研究所副所長
2005 鍋島 陽一 京都大学大学院医学研究科教授
  水野 美邦 順天堂大学医学部教授
2004 清水 孝雄 東京大学大学院医学系研究科教授
  田中 啓二 東京都医学研究機構東京都臨床医学総合研究所副所長
2003 谷口 克 千葉大学大学院医学研究院教授
  長野 哲雄 東京大学大学院薬学系研究科教授
2002 月田 承一郎 京都大学大学院医学研究科教授 (2005年逝去)
2001 成宮 周 京都大学大学院医学研究科教授
  柳田 充弘 京都大学大学院生命科学研究科長・教授
2000 浅島 誠 東京大学大学院総合文化研究科教授
  田中 紘一 京都大学大学院医学研究科教授
1999 宮下 保司 東京大学医学部教授
1997 長田 重一 大阪大学医学部教授
  御子柴 克彦 東京大学医科学研究所教授
1996 矢﨑 義雄 東京大学医学部長・教授
1995 竹市 雅俊 京都大学大学院理学研究科教授
1994 廣川 信隆 東京大学医学部教授
1993 谷口 維紹 大阪大学細胞生体工学センター教授
  本庶 佑 京都大学医学部教授・遺伝子実験施設長
1992 市原 明 徳島大学酵素科学研究センター長・教授
  多田 啓也 東北大学医学部教授
  永津 俊治 藤田保健衛生大学総合医科学研究所教授
1991 高久 史磨 国立病院医療センター院長
  中西 重忠 京都大学医学部教授
1990 垂井 清一郎 大阪大学医学部教授
1989 大野 雅二 東京大学薬学部教授
1988 大村 智 北里研究所理事・副所長
1987 宇井 理生 東京大学薬学部教授
1986 入澤 宏 岡崎国立共同研究機構生理学研究所教授 (1991年逝去)
1985 杉田 秀夫 国立武蔵療養所神経センター疾病研究第一部長
  家森 幸男 島根医科大学教授

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