コンプライアンス

「行動指針」と「企業行動宣言」の制定

会社の使命実現に向かって活動する際の判断基準や、様々な職場で行動する際の基本的な指針となる、大正製薬「全社行動指針」を2001年に制定しました。また、その各項目を具体的に解説した「コンプライアンス・ガイド」を全従業員に配付し、指針の周知徹底を図ってきました。

2006年より、全社行動指針をより身近で具体的に理解できるよう、全部署でそれぞれの「部署行動指針」を制定しています。事業環境の変化はもちろん、組織変更の度に随時見直しを行い、実情に即した指針として各部署で活用しています。2010年には、社会の変化を勘案し、新たに「企業行動宣言」を制定して社内外へ公表しました。2014年、「携帯版コンプライアンス・ガイド」も配付し、職場へのコンプライアンスの理解と実践が進むよう努めています。

さらに、2018年には、国際的な競争の中でも着実に成長・発展を続けられるよう、一層強固な経営基盤の構築に向け「グローバルコンプライアンス・ガイドライン」を制定しました。文化の多様性を尊重しながら、日々の業務におけるコンプライアンスの遵守・実践に取り組んでいます。

各国の法令や社会規範の遵守

当社では、各国の法令・規則、社会規範、ビジネスルール、社内規定などを遵守するとともに、それらが制定されている目的や趣旨についても理解、尊重した行動を取ることを「グローバルコンプライアンス・ガイドライン」に明記し、全従業員への徹底を図っています。

社会規範の遵守や腐敗防止へのコミットメント

  • 生活者の健康に資する医薬品を開発、生産、販売する企業に従事する者として、生命の尊厳、医薬に関する社会的な良識を保ちながら誠実に行動します。
  • 各国の関連法令などに沿って、製品に関わる安全性情報の収集を継続的に行い、必要に応じて関係当局へ適切に報告を行います。
  • 行政や医療関係者との適正な関係を維持するために十分な注意を払います。特に、各国の公務員、外国公務員、又はこれに準じる者への違法な金品の提供等不正な行為は決して行いません。
  • また我々は常に法律や社会常識を意識して、違法行為や反社会的行為を見過ごすことなく、良識を持って行動し、市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力及び団体からの要求には一切応じません。

贈収賄の防止

当社は特定の得意先、取引先に有利な待遇を与えたり、優越的地位を行使することなく、関係法令を遵守して、適正な契約および取引を行っています。いかなる取引きであれ、得意先、取引先との癒着とみなされる行為を禁止しています。

贈収賄に関しても、不適切な関係が生じる、またそのような印象を与えかねないような金品や接待の提供、その他さまざまな便宜供与といった行為や、自らの立場や関係を利用して得意先や取引先に金品・接待・その他さまざまな便宜の提供を求める行為を禁止することを「グローバルコンプライアンス・ガイドライン」に明記し、国内外の従業員に徹底しています。

人権の尊重

当社は、個人の人権と人格を尊重し、個人の尊厳を傷つける不当な行為(ハラスメント)や差別につながる行為を排除することを「グローバルコンプライアンス・ガイドライン」に記載し、従業員への徹底を図っています。

性別・国籍・人種・宗教・年齢・思想・身体上のハンディキャップなどに基づく差別の排除はもちろんのこと、差別の意図がなくても相手に不快感を与える行為を避けるよう徹底しています。また、強制労働や児童労働などの奴隷的な扱いを排除するよう努めています。

コンプライアンス体制

コンプライアンスへの取り組みを確実に推進していくために、大正製薬ホールディングス役員がコンプライアンス・オフィサーに就任し、専門部署としてのコンプライアンス統括室も設置しています。

全役員は、コンプライアンス・オフィサーを補佐し、担当部門におけるコンプライアンスの啓発を担い、部署長とグループマネージャーは、部署・グループにおいて、コンプライアンスの徹底のため、モニタリング及び教育・啓発活動を推進しています。各部署には、コンプライアンス委員が原則2名置かれ、部署長によるコンプライアンスの普及を補佐し、職場におけるモニタリングや従業員からの相談に対応しています。

また、コンプライアンス運用の基本的な仕組みは、目標に対して、Plan-Do-Check-Actionのマネジメント・サイクルによりプロセス管理を実施していくことを重視しています。

さらに、海外を含めた主要子会社の社員に対し、日々の行動において、社会規範(法令、社会常識、企業倫理等)及び経営理念、企業行動宣言、行動指針、社内規程を遵守する啓発に努めています。

このような、職場に根づいたコンプライアンス活動を幅広く推進することで、コンプライアンスについての考え方を全社的に展開しています。そしてコンプライアンス上の問題点をすばやく察知するとともに疑問点等を相談できる体制を整備し、会社全体で積極的にコンプライアンスに取り組めるように努めています。

相談窓口

当社では、「内部通報規程」に基づき、会社における組織的または個人的な法令、倫理、社内規程に違反する行為等に関する相談または悩みなどを受け付ける「コンプライアンス統括室ホットライン」「ハラスメントホットライン」や、社外への相談窓口「社外弁護士ホットライン」「カウンセラー室ホットライン」などを幅広く整備しています。また、海外子会社においてもホットラインを設置しています。さらに、ホットラインに相談するほどでもないが、ちょっと気になることがある、という相談を受け付ける「ちょっと聞きたい」コーナーも設けています。なお、それぞれの相談窓口は、大正製薬グループの社員はもとより、契約社員、パート従業員、派遣社員などにも広く開かれており、いずれの場合も社内規程である「内部通報規程」に則り、相談者のプライバシーが保護され、関係者には守秘義務が十分に課せられています。

コンプライアンス教育

当社では、全従業員がコンプライアンスに対する理解を深め、自分ごととして意識し実践するために、従業員を対象とした勉強会を毎年実施しています。2018年度においては、10月に全社共通基礎教育の一環として各部門にて約2,400名を対象とした勉強会を実施しました。また、マネージャー以上に対する階層別研修においても、ハラスメントや職場でのいじめに対して適切な認識を持つための研修を行っており、2018年度は約50名が参加しました。

こうした研修に加えて、コンプライアンス意識を持続し、職場でのコンプライアンスの理解と実践が進むよう、「携帯版コンプライアンス・ガイド」を大正製薬全従業員である約2,500名に配布しています。さらに、「TAISHO WAY」「グローバルコンプライアンス・ ガイドライン」を海外事業会社の全現地語で制作することで、国内外で共通したコンプライアンス意識を持てるようにしています。現在は約5,000名への配布を行っていますが、2019年に連結した子会社へも順次配布する予定です。

医薬品の研究開発に求められる配慮

ヒト由来試料を使用する際は、「ヘルシンキ宣言」や指針などに則り、人権の尊重、安全確保、個人情報保護、生命倫理などに十分考慮して制定した社内規程※1のもと、社外有識者を含む倫理委員会で公正かつ中立な審議を行った上で研究を行っています。

化合物、放射性同位元素、遺伝子組換え生物あるいは感染性物質・病原体を使用する際は、法令や指針などに則り、適切な保管管理体制を制定した社内規定※2のもと、環境への配慮、生物の多様性の確保、ヒトの生命及び健康の維持のために慎重に取り扱っています。

動物実験を実施する際は、「動物の愛護及び管理に関する法律」などの法令に則り、福祉的な理念である3Rs※3を基本として制定した社内規程※4のもと、動物実験委員会で動物実験計画を審査した上で、動物実験を行っています。

なお、動物施設は公益財団法人ヒューマンサイエンス振興財団による動物実験実施施設認証を取得しており、病原体・遺伝子施設は認定特定非営利活動法人バイオメディカルサイエンス研究会による視察を受け、適切な運営を行っています。

  • ※1 ヒト試料・情報を用いる研究に関する倫理規程
  • ※2 法規制物質安全管理規程、放射線障害予防規程、遺伝子組換え実験安全管理規程、病原体等安全管理規程
  • ※3 3Rs:Replacement(動物実験に代わる方法の利用)、Reduction(動物数を減らす)、Refinement(苦痛を和らげる)の頭文字
  • ※4 動物実験に関する規程